いよいよ完成が近づいてきました。とりあえず引き出しを入れてみました。なんだかこうなるとあれこれ欲が出てきますね。
実は今回は楓舎主人の馬鹿なミスで皆さんに大変なご迷惑をおかけしてしまいました。設計段階での引き出し寸法間違いがここへきて判明してしまったのです。住計画FURUTAさんから参加されている I さんには特にひどい目に合わせてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。
さて、上記失敗がまだ判らない段階での加工です。引き出し前板につまみ用のボルト穴を明けます。ここではボール盤を使います。
このあと引き出し幅のミスを楓舎主人が偶然発見したという訳です。
I さんの活躍で失敗した部材を作り直してもらい、引き出しを組みます。もちろん組む前にそれぞれの部材をペーパーで仕上げておきます。前板と側板は「包み打ち付け継ぎ」、側板とむこう板は「小穴継ぎ」という組み手を使います。左右の勝手を間違えないようにします。包み打ち付け継ぎの釘頭にはダボをうちます。小穴継ぎは端金で一度締めるとだいたい収まりますが、直角をなおしたりして動かしているうちに離れることがありますから、気をつけて、その場合は再度端金で締めます。ダボの頭はのこぎりで切り落としたあとノミか鉋でツラにします。
この机の引き出しは棚口の内側に入る「インセット」式です。接着剤が乾いて引き出しが固まったあとで仕込むことになります。これは楓舎主人が行います。
日本の引き出しは古来この方式でしたが、今は棚口の上にかぶさる「アウトセット」または「かぶせ」と呼ばれるやり方も多く使われます。
引き出しを組み終わって固まるまでの間、天板をつけます。今回は前後しましたが、まあ最初はこの予定でした。
まず、上に使う面、前に使う面を自分の好みや、傷、割れの有無などを考えて決めます。欠点はできるだけ目立たない場所に隠す、これが大事です。
次に取り付ける位置を決めます。実際に計測したり図面を参考にして、裏側に墨をします。木ネジを使って固定しますからその場所と本数を決め、座堀り、下穴をあけます。最後にダボをうち頭をならします。これで天板の取り付け完了です。
これで全体の組み立てはすべて終了しました。引き出しを仮に入れてみたりして眺めていると、ようやく細かいところに目がいくようになります。そうするとあちこち気になるところが判ってきます。へこんだところ、傷がついたところ、失敗したところなどがありますね。原因をしっかり理解して、自分のできる範囲でなおします。なおしきれないものはそのままがよいと思います。次に何か作る時の教訓になるからです。