楓舎小屋便り

 

2022/3/23

「民主主義」というファシズムではないか?

2022年3月 雪融けの始まり

 ゼレンスキー・ウクライナ大統領が、ちょうど今日本の国会議員を前にオンラインで演説しています。世界中に支援を求める行動の一環らしいですが、あまりに馬鹿げた猿芝居で腹が立ちます。そもそも日本の国会がなぜ彼に演説をさせなければならないのか、ただただ「ウクライナのお涙ちょうだい」と「ロシアの悪虐非道」を日本国民にも知らしめるためとしか思えません。ゼレンスキーのふるまいは、真犯人を無罪にする「腕利き弁護士の手腕」と同様のいかがわしさです。ロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、彼はあたかもウクライナにはなんの非も無いかのような言動を撒き散らかしていますが、はたしてそうでしょうか?世界中の国々もマスコミもこぞって「悪党プーチン」「悪魔のロシア軍」の大合唱です。本当でしょうか?ゼレンスキーはまず、今回のロシア軍の侵攻によって国民が命を落としているのはだれよりも自分の責任であることを自覚しなければなりません。いろんな言い訳はあるでしょうが、自分をはじめとするウクライナ政府がロシアとの外交交渉に失敗し、かつロシアが実力行使に踏み込まざるを得なくなるまで追いつめてしまったからです。もちろんNATO諸国、特にアメリカの援助があったとはいえ、最終判断を誤ったのは間違いありません。ロシアの侵攻が始まって以来の彼の言動に、その自覚と責任を認めることはできないのです。確かにロシアの無差別殺戮が言語道断であるのは間違いありません。しかし、原因を考えてみればゼレンスキーにも重大な問題があるのです。  

 その前に少し背景について考えてみます。多くの「専門家」がロシアの軍備、経済を含んだ国内状況について解説していますが、ウクライナについて同じように説明する「専門家」はいません。なぜ専門家はみなロシアについてばかり詳しいのでしょうか? なぜ執拗にロシアの非ばかりあげつらうのでしょうか? 2022年3月1日付「論座」で、心理学者・富田隆が述べるように「いわゆるマスメディアと呼ばれているものがディープステイト(世界を操る陰の政府)のプロパガンダ機関であり走狗である」からです。富田は言います、「テレビのニュースばかり見ていると、ロシア軍が『悪の軍隊』であり、プーチン大統領は権力欲に取り付かれた『狂人』であり、彼の領土拡大の野望がこの戦争を引き起こした、というような『物語』が頭の中に出来上がってしまいます。」 これを成功させるためにあらゆるメディアを巻き込んだプロパガンダを展開させているのが、日・米をはじめとする「西側、つまりNATO側」政府であるということです。当然、プーチンが繰り返し示している 「NATOをウクライナとジョージアに拡大するな」「ウクライナを『非ナチス化』してロシア系住民を救う」という警告に耳を貸すことは無く、世界中の人々がまさにこの物語にのせられ、目の前を流れる悲惨な映像で思考停止しています。冷静に現状をとらえるためには、歴史的な視座で両者の見解をよくよく知る必要があるのです。(この稿つづく)

2022/3/27

「民主主義」というファシズムではないか? ( 2)

 私は決してロシアの言い分を全面的に認め、その正当化をよしとするものではありません。ただ、これほど世界中が寄ってたかってロシアを悪者にしウクライナのゼレンスキー大統領を英雄扱いすることに、異常な違和感を感じるのです。畏怖と言っても言いかもしれません。背後にどす黒い意図を感じます。当事者ではない者たちが、はじめから片方のいい分だけを認めるのは大いに不公平であるばかりか、この戦争の原因がなんであるか、または何であったのかを隠そうとしているような気がしてなりません。冷戦終了後から感じていたことですが、「民主主義」だけがこの世界の唯一の善であるというのは、新たなファシズムとしか考えられないのです。最近世界中で言われる「多様性」とあまりにかけ離れていないでしょうか?多様性とは資本主義の世界、あるいは金もうけをしたい者たちの間でだけ通用すればよい思想であり、違う価値観で生きる者たちには適用されないとでも言うのでしょうか?世界には多様な宗教観があり、言葉があり、慣習があり暮らしがあります。それらすべてを「民主主義」という価値に従わせるのは間違いです。

 今回の戦争を始めた時、ロシアのプーチン大統領がその理由として発表した次の2点につき、世界中が無視しています。 (1)「ウクライナの非武装、中立化」 (2)「ウクライナの非ナチ化」です。(1)についてはほとんどの専門家が口を揃えて「NATOの東方拡大の中止」であると言います。私もその点については同様に考えています。ただロシアの危機感は彼ら専門家の想像を超えていると想像しています。冷戦が終わったのになぜNATOは残り続けてきたのか?ソ連が冷戦に「負けて」、その上じりじりその軍事同盟が東へ進むのは、最後は我がロシアを支配下に置くためではないのか、プーチンがそう考えても無理はないでしょう。一方アメリカは自分で戦争をするのではなく(国民も議会も許さない)、こうしてゼレンスキーのような者をおだててロシアと闘わせ、余っている武器を「支援」の名で使わせる。つまり軍需産業を潤す。「紛争」「内戦」の背後には必ずアメリカの陰があるのです。プーチンがこれ以上NATOが東へ進出できないようにしようと考えるのは当然ではないでしょうか。

 (2)についてルポライター清義明の非常に緻密な論考(「ウクライナには『ネオナチ』という象がいる〜プーチンの『非ナチ化』プロパガンダの中の実像」論座 2022/3/23, 24)があります。この中で清は、ネオナチグループ「アゾフ」や「C14」がどのような経過を辿ってウクライナ軍の中枢に浸透し、警察、司法と癒着していったのかを、世界中のメディアの報道、証言を中心に時間軸にそって検証しています。驚くことに、そのネオナチ組織が今やウクライナの正式の軍になっていることです。しかも世界の極右やネオナチのハブ的存在となっており、今後ISのようにネットワークを拡大していけばコントロール不能になりかねません。またウクライナの過去のナチス協力を巡る「歴史修正主義」が大手を振っていることが、イスラエルをはじめ関係する国々の強い批判を受けていました。清はこの事態を、アフガニスタンにソ連が侵攻した時のアメリカの行動になぞらえて強い危惧を抱くのです。私も同じような危機感にとらわれます。いま世界中が「ナチ化」したウクライナ軍に次々と軍備援助していることが、この戦争がどんな結果になるかは別として、とにかく終わったあとナチ化した軍や、その軍を正規軍としているウクライナによっていかなる事態が出来するのか。資金援助を受けていたイスラム民族主義者が、ソ連軍撤退後にその牙を今度はアメリカに向けたのと同様な失敗にならないだろうか。「ナチ化しているウクライナ軍」は決してロシアのプロパガンダではなく、上記のような未来を考えざるを得なくなるほどのれっきとした事実なのです。「だから『非ナチ化』するのだ」というのはあくまでロシアのプロパガンダであり、それとは分けて押さえておかなければならない重要な点です。

 いま私は清義明の論考とは別に、ヨーロッパ諸国とウクライナの関係に大きな疑問を持っています。第二次大戦後ヨーロッパ諸国はナチズムを強力に忌避してきたはずですが、今回のロシア侵攻に際しなぜ「ネオナチが正規軍に組み込まれている唯一の国」(アメリカ「ザ・ネーション誌」)であるウクライナをこれほど熱心に支援できるのだろうかという点です。いまやナチスよりもロシアの方が忌まわしいということでしょうか。さすがにイスラエルはそうはいきません。キエフにロシア軍が迫りつつある3月12日、ユダヤ系のゼレンスキー大統領が和平交渉の仲介を依頼した時、ロシアに降伏するよう進めたそうです(イスラエルのニュースサイト)。私は素朴にヨーロッパ諸国もイスラエルと同様の反応をするものだと考えていましたので、彼らがここまでアメリカに引きずられるとは思いませんでした。NATOの首脳会議で今後は東方防衛の充実をするということになったようですが、はたしてこの程度のアメのためにアメリカの言うことを聴いているのでしょうか?過去80年近くのナチズムに対する怨嗟と反省(ドイツ)を捨ててしまったのでしょうか?

                             

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