過去の楓舎小屋便り

2022/8/25

頽廃の資本主義、戦争を売る。

2022年8月、イタドリの花盛りです。 

放っておけばどこまでもはびこる厄介なイタドリですが、こうして花を咲かせると夏も終わるなあという感慨とともに、旺盛な生命力に敬意を表したくなります。

 さて、タイトルに少し説明を加えなければなりません。もちろん「戦争 」というかたちのある商品を売るのではなく、直接には武器、兵器を売ります。問題はこれら武器、兵器は通常自国の軍のためにどの国でも生産し国家に売却していますが、20世紀後半から21世紀にかけては、武器、兵器の更なる「消費拡大 」の為に戦争を起こす、という倒立した事態になってきている点です。定期的な更新やより性能の上がる兵器を開発した結果、余ってしまう兵器をどこかの国に売るかまたは世界のどこかで使わなければなりません。そのためには世界のどこかで戦争をやってもらわなければなりません。いまや、武器、兵器を使わせるために戦争を起こすのです。つまり、戦争を売り物にしているわけです。

 資本主義の本質を突き詰めていけば、戦争さえ売り物になるのです。そして戦争は利益を上げる絶好の機会になります。この事実を躊躇無く実行しているのがアメリカです。正確には、1950年代にアイゼンハワー元アメリカ大統領が批判した「軍と軍事産業が結びついた軍産複合体 」です。現在世界一の規模と性能を誇る米軍が、その維持と更新のために起こしたり介入した戦争・紛争は第二次世界大戦後だけでも十指に余ります。主なところでは朝鮮戦争、ヴェトナム、レバノン、湾岸戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、アフガニスタン、イラクなど世界中で民間人だけでもどれだけの犠牲者を出したか解りません。ほかにも小さな(と考えられる )紛争に数多く介入しています。それらのすべての動機・口実は「反共」、「民主主義の擁護」、最近なら「テロとの闘い」のどれかです。

 かくしてアメリカの軍産複合体は莫大な利益を上げ、これに替わる産業は無いと考えているようです。国民に武器の保持を認める憲法を持つ国ですから、武器、兵器に対する国民の抵抗感は小さいと考えられます。また二十世紀を通じ世界を支配してきた成功体験から抜けられず、台頭してきた中国やかつてのライバルだったロシアに対し、覇権を奪われるという危機感からなのかむき出しの敵意を隠しません。

 いまや国を挙げて死の商人と化したアメリカが、ウクライナに代理でロシアと戦争させているだけでは飽き足りず、次は中国と事を構える準備に入ったのだと私は見ています。先日のペロシ下院議長の台湾訪問は中国の強力な反対があったにもかかわらず強行しました。いたずらに中台の緊張を高めるだけの訪問をなぜいま行うのか意味不明です。そう簡単に中国が台湾侵攻するとは考えられませんが、ウクライナ戦争前よりもハードルは下がっていると私は見てています。万が一中国がそれに踏み切ったとしても、現在ロシアに対して行っているのと同様の経済制裁を日本を含む西側諸国は中国に対しては科すことはできません。ロシアへの経済制裁によって世界中大きなカウンターを浴びているからです。特にヨーロッパはガスを含む燃料のロシアからの調達をたたれ、この冬へ向けて深刻な状況に陥っています。同様の制裁を中国に対してもし行った場合、世界中の経済が麻痺してしまうでしょう。経済システムがここまでグローバル化している状況では核戦争よりも悲惨な事態になります。そういう想像力がアメリカの拝金主義者たちには無いのでしょうかね?

 話が逸れました。頽廃の資本主義です。世界中骨の髄まで浸透している資本主義から、なんとしても抜け出す算段をしなければなりません。資本主義は最後には戦争を売るしかなくなるという現実を、世界中の為政者も民衆もすべての人が認め、より多く、より速く、もっと豊かにという発想を変えていくべきではないでしょうか?このままでは資本主義は人類を殺し尽くしてしまいます。それでもかまわないという考えもあり得ますが、もし、アメリカの軍産複合体のような狂った世界観以外に幸福は無いのだろうかと考えてみることができれば、世界はもう少し静かになるような気がします。手遅れかもしれませんが。

 

 

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