過去の楓舎小屋便り

  

2017/10/30

憲法を議論しよう

 2017 Oct fallen coloured maple leaves  

  総選挙は終わりました。
期待に反し自民党圧勝という結果でした。野党のごたごたもあり、これはしかたがありません。一つ収穫といえるのは、民進党が分裂して立憲民主党が旗揚げしたことです。社民党や共産党ほど左ではない人々の受け皿として、待たれていたグループと言えないでしょうか。私としては、これで正体不明の民進党からすっきりした党が分かれたことは、今後の政治に与える影響は小さくないと考えています。今後どのように切り盛りしていくかで、真価が問われますが。

  今回の選挙で私が何より怒りを覚えるのは、議会の解散を首相の恣意で行ったことです。国会でどうにも解決できなくなった問題を、国民の判断に委ねるというのが本来の解散の在り方だと私は考えています。自分の権力維持のためだけに600億円もの費用を使って無意味な選挙をするというのは、これは首相自身の下劣な人間性に大きな問題があるのは当然として、しかし同じぐらい憲法の規定にも問題があると痛烈に感じています。東大元学長の佐々木毅によれば、「橋本行革を通じて解散権が事実上強化された。これほど強大な権限は憲法のどこを探しても見つからない。(10月30日 毎日新聞)」らしいのです。憲法第69条では、「内閣不信任決議が可決されるか信任の決議案を否決したとき10日以内に衆議院を解散もしくは総辞職をしなければならない」となっていてこれは誰にでもよく判ります。しかし第7条は「内閣の助言と承認により、国民のために」天皇が衆議院の解散を行う」こととされています。この7条は実質的に総理大臣が意のままに解散できてしまうところに、最大の曖昧さと問題があります。なんの大義もない選挙に対する制約あるいは条件が必要だと私は考えています。そのためには、この7条をどうにかするためにも憲法を変えなければなりません。戦後70年あまり、憲法について議論することさえタブー視されてきましたが、いよいよそんなことを言っていられなくなりました。いつまでもそんなことを言っていては、現憲法に敬意を払わない安倍首相がやりたい放題の憲法改変を行ってしまいます。議論のテーブルには乗り、たとえば9条は変えないが、7条には条件を付けるかまたは安易な解散を制限する内容に変える、というような議論を始めるべきなのです。

  そしてもし国民投票を行うなら、その前に現国民投票法をしっかりしたものにしておかなければなりません。現在のものはあまりに抜け穴だらけで法律の体を成していません。たとえば投票率の規定は何もありません。今回の選挙のように53%ぐらいの投票率だとすれば、過半数は27%となります。有権者の約4分の1程度の意志が国家を規定する憲法を決めていいわけがありません。100%の投票があってその過半数でも50%あまりです。これが本来の姿でしょう。最低でも80%の投票率を確保しなければなりません。そのために棄権者には罰金を科すぐらいの強制力があってもよいのではないでしょうか。憲法を変えるのですから、国民にもそのぐらいの覚悟(情けない話ではありますが)が必要になります。

  独裁者がどのように自分の権力を強化していったか、ヒトラーのやり方がよく教えてくれます。安倍首相はまさしくそれをなぞっているように見えます。道徳の教科書に出てくるであろう、「こんな人間になってはいけません」を代表するような欠陥人格の安倍首相が、いつまでも日本のリーダーなんて恥ずかしい状況は一刻も早く終わらせなければなりません。北朝鮮のリーダーを笑っている場合ではありません。私たちの足下が刻々と同じ状況に近づいているのですから。

 

 

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